タクシーは乗客の命を預かるため、点呼で酒気帯びの有無を確認し、反応が出れば乗務できません。前夜の飲酒が翌朝に残るだけでも仕事に影響しがちです。タクシードライバーのアルコールチェックの基本と流れ、基準の考え方、抜ける目安、罰則と事例を解説します。
タクシーは出庫前・帰庫後の点呼で、運行管理者が酒気帯びの有無を確認する仕組みです。多くの会社でアルコール検知器を使い、結果を記録します。反応が出た場合は当日の乗務を中止し、休息や再測定などの対応を取ります。
一般ドライバーは、酒気帯び運転の基準(呼気0.15mg/L以上)が目安です。ただし、タクシーでは0.15mg/L未満でも「アルコールあり」と扱って乗務不可とする運用が一般的で、実務上は反応ゼロを求められやすいと言えます。信用への影響も背景にあります。
出庫前は体調の申告と酒気帯び確認が中心です。検知器で測定し、問題がなければ点呼を完了して出庫します。反応が出たときは無理に乗務せず、会社の指示に従うのが基本でしょう。
帰庫後も再度測定し、勤務中の飲酒がなかったかを含めて確認します。あわせて運行中の出来事や車両状態を報告して記録し、反応が出れば事情確認や指導につながることがあります。
一般ドライバーは、呼気0.15mg/L以上で酒気帯び運転です。少量でも翌朝に残ることがあるため注意が必要でしょう。
タクシーは、処罰ライン未満でも検知器に反応が出た時点で乗務停止になりやすいのが実情です。前夜の飲酒だけでなく、アルコール入り菓子などでも反応する場合があります。
分解速度には個人差があり、体格や体調で変わります。目安として「1時間に体重(kg)×0.1g程度の純アルコールを処理する」とされ、体重60kgなら約6g/時です。安全側に見積もり、時間に余裕を持つことが重要になります。
概算ですが、ビール500ml(度数5%)は純アルコール約20gで、数時間かかる可能性があります。日本酒1合(180ml)も同程度が目安です。度数が高いお酒ほど長引きやすいので、点呼がある日は量を控えるのが安全です。
飲酒運転は刑事罰が重く、酒酔い運転は5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、酒気帯び運転でも3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が定められています。車両提供や酒類提供など周囲の関与にも処罰が及ぶ点は注意が必要です。
※参照元:警視庁公式HP(https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/torishimari/inshu_info/inshu_bassoku.html)
兵庫県警長田署は24日未明、営業中のタクシーで酒気帯び運転をしたとして、神戸市西区の運転手(64)を現行犯逮捕しました。国道2号で信号待ちの車に追突し、乗用車の女性(28)とタクシー同乗の男性(42)が軽傷。呼気から基準超のアルコールが検出され、「暇でビールを飲んだ」と供述しています。
※参照元:産経WEST(https://www.sankei.com/article/20150125-KAOAAWKD7RJ7RO7TNE74BHANWA/)
2022年、熊本市中心部で勤務中のタクシー運転手が酒酔い運転で摘発されました。乗客はふらつく運転やガードレールに突っ込みそうになった状況に恐怖を感じ、通報したといいます。運転手は勤務開始後に飲食店で飲酒。会社はアルコールチェッカーを設置していましたが防げず、運転手は懲戒解雇となり、再発防止の講習を行う方針です。
※参照元:TBS NEWS DIG(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/58754)
タクシーのアルコールチェックは出庫前・帰庫後に行い、反応が出た時点で乗務しないのが大原則です。法律の基準は呼気0.15mg/L以上ですが、業界ではそれ未満でも乗務不可とする運用が一般的です。前夜の飲酒は量と時間を管理し、少しでも不安があれば無理をしない判断が安全につながります。