流し営業だけで高単価を狙うのは簡単ではありません。多摩エリアにおいて特定の場所と条件が揃った場合、観光タクシーで稼げる可能性は格段に上がります。本記事では観光一本の専業スタイルではなく、予約やイベント需要、貸切案件を計画的に取り込み、既存の売上に上乗せする方法について解説してします。
2019年度に約576万人だった多摩市内の観光客数は、2020年度に約266万人まで落ち込んだものの、2021年度には約560万人とコロナ禍前の水準近くまで回復しました。多摩市は2028年度の目標値を約564万人と定めています。需要の総量は安定して存在しますが、重要な点はどのエリアに人が集中するかを見極めることです。
※観光客数は2021年度時点の実績値と目標値です。数値は千単位で四捨五入しています。
パルテノン多摩や多摩中央公園など主要施設が集約されたエリアで、市が回遊性や賑わいの創出を重点施策として位置づけています。近年はパルテノン多摩の大規模改修完了や公園の再整備により、イベントや来訪目的が明確な観光客が増えており、一定の観光タクシー需要が発生しやすい環境です。
特にコンサートや展示会、季節イベントの開催日には、高齢者や家族連れを中心に駅から各施設への移動需要が集中します。施設同士は徒歩圏内にありますが、天候が悪い日やイベント前後の混雑時には、短距離でもタクシーが選ばれやすく、スポット的に需要が跳ね上がるでしょう。
タクシー側としては、イベント開催日や終了時間を事前に把握し、多摩センター駅周辺や主要施設付近で短時間待機するのが効果的です。
観光地として常時人が集まるわけではありませんが、市が継続的に支援している「聖蹟桜ヶ丘かわまちづくり」などの河川敷イベント開催時に、まとまった送迎需要が発生します。イベント会場は駅からやや距離があり、高齢者や家族連れにとって徒歩移動が負担になりやすいため、タクシーが選ばれやすい環境が生まれます。
特に春から秋にかけての屋外イベント開催日や、週末・祝日は需要が集中しやすく、イベント終了時間帯には駅方面への一斉移動が発生します。観光客だけを狙って常時待機するよりも、こうしたイベント日を事前に把握し、時間帯を絞って稼働する方が効率的です。
多摩市では年間150件以上の撮影支援実績があり、映像制作のロケ地として定着しています。具体的には、多くのドラマに登場する「パルテノン大通り」や、教室・職員室などのセットが揃い学校ロケの聖地となっている「東京多摩フットボールセンター・南豊ヶ丘フィールド」などが挙げられます。
タクシードライバーが狙うべきは、聖地巡礼の観光客よりも、撮影クルーや出演者の移動需要です。基本は法人からの事前予約や貸切運行ですが、現場では急な買い出しやスタッフの移動が発生することもあります。「たまロケ」等の公開情報で撮影の傾向を掴み、ロケ地周辺で待機することで、単価の高いスポット需要を取り込める可能性があります。
「永山駅周辺」や「諏訪・永山・貝取などの大規模団地エリア」は、観光目的の乗客獲得には不向きと言えます。生活拠点としての機能が強く、外部からの来訪動機となる観光資源が乏しいためです。
日常的な生活移動の需要はありますが、「観光客を乗せて単価を上げる」という目的においては、効率の悪いエリアとなります。
多摩エリアでの観光タクシーは専業だと難易度が高いものの、通常営業への上乗せとしては有効な手段です。需要は多摩センターという「場所」、イベント開催の「日」、ロケなどの「形」に強く依存します。観光客数の回復や駅勢圏、撮影支援の継続といったデータが示す通り、機会は確実に存在します。事前予約や貸切営業を組み合わせることで、着実な収益アップを目指しましょう。
次の記事では、理想とする働き方別におすすめのタクシー会社を紹介しています。これまでの働き方の見直したり、多摩市にあるタクシー会社への就職・転職を検討している方は、比較・検討にお役立てください。