本記事では、介護タクシー事業者への転職・就職を検討しているドライバーに向けて、「一般タクシーより稼げるのか?」を判断する材料を整理しました。結論から言うと、介護タクシーは1件単価は上がりやすい一方、件数(稼働)が伸びにくい時間帯が出やすいため、稼げるかどうかは「勤務先の給与制度」と「予約の入り方」で決まります。
介護タクシーは、運賃に加えて介助料や車いす・ストレッチャー等の機材使用料が加算されるため、1件あたりの売上は一般タクシーより高くなりやすい傾向があります。一方で、予約状況に依存するため、一般タクシーのように「流し営業で回転数を上げる」型とは稼ぎ方が異なります。
転職・就職で見落としがちなポイントは、同じ売上でも給与の計算方法で手取りが大きく変わることです。面接・求人票で最低限、次の点を確認すると判断しやすくなります。
通院・入退院などの移動に対して、乗降介助や院内付き添い等を伴うことがある移送サービスです。勤務先によっては、介助を行うために介護職員初任者研修などの資格取得・研修参加を求められる場合があります。資格の要否や取得タイミング(入社前必須/入社後に支援あり)は会社ごとに異なるため、求人情報で必ず確認しましょう。
介護タクシーは予約中心で動くため、一般タクシーのように「流し」で売上を積み上げるスタイルとは異なります。利用者の多くは通院や入退院を目的としており、自宅と病院間の送迎が業務の中心です。
一方で、利用のピークが午前中に寄りやすく、予約と予約の間に待機が発生すると時間効率が下がりやすいのも特徴。つまり、介護タクシーは単価で稼ぐ側面と、稼働を埋める工夫が必要な側面がセットになります。
移送を主とするサービスで、介助はオプション扱いとなるのが一般的です(※介助の範囲や有無は事業者・案件によって差が出ます)。一般タクシー経験者にとっては、介助の比重が比較的軽い求人もあり、参入しやすい領域だといえます。
多摩市周辺には病院や高齢者施設が点在しており、移動が難しい人の搬送需要は一定数見込まれます。実際、2024年3月時点で「多摩市対応」として掲載されている自費介護タクシー事業者は20社ありました。転職先を探すうえでは、「事業者が複数ある=求人が出やすい可能性がある」くらいの目安として捉えるとよいでしょう。
特に多摩ニュータウンなど丘陵地帯では、公共交通だけでの移動が難しいケースもあり、ドア・ツー・ドアで移動できる介護タクシーのニーズが生まれやすい環境です。
多摩市の介護タクシー事業者(ホップ・ケア・タクシー)が公開している売上シミュレーションによると、1回の搬送で運賃と介助料を合わせて売上は4,000円程度。もし1日に6件の予約をこなし、月24日間稼働した場合、月間売上は約57万円となります。
注意したいのは「売上=手取り」ではない点です。歩合計算の対象や待機時間の賃金の扱いによって、同じ売上でも給与が変わります。
実際の現場で、シミュレーション通りに予約が埋まることは稀です。ホップ・ケア・タクシーが公開している実際の売上例は1週間で約88,000円。4週間続いたと仮定した場合、現実的な月間売上は約35万円となります。
シミュレーション通りにいかない理由は、通院時間が午前中に集中しやすく、午後の稼働が空きやすいためです。予約と予約の間に待機時間が発生すると、時間効率が下がりやすくなります。
稼働を安定させるには、隙間時間を「飛び込み客」で埋めるのではなく、予約が入り続ける導線(病院の地域連携室、クリニック、介護施設、居宅介護支援事業所〈ケアマネジャー〉など)を確保している会社を見極めることが重要です。
介護タクシーは、一般タクシーのように深夜帯や回転数で売上を積むのではなく、予約・単価・介助の付加価値で収益を作る仕事です。一般タクシーより稼げるかどうかは、本人の頑張りだけでなく、給与制度(歩合の対象)と予約の入り方(午後の稼働)に左右されます。
自身のペースで「働き続ける」ことを重視する人、日中中心の働き方に切り替えたい人に向いている選択肢だと言えるでしょう。一方「とにかく回転数で稼ぎたい」という人は、ギャップを感じる可能性があります。
次の記事では、理想とする働き方別におすすめのタクシー会社を厳選しました。多摩市にあるタクシー会社への就職・転職を検討している方は、比較・検討にお役立てください。