タクシーの事前確定運賃とは

タクシーの配車アプリサービスでは、事前確定運賃という仕組みが導入されています。事前確定運賃とは何か、概要や仕組み、タクシードライバーのメリットや注意点を解説します。

事前確定運賃とは?

タクシーで乗車地から目的地まで走行するルートの距離をあらかじめ測り、距離に応じて乗車前の段階で確定する運賃です。

スマートフォンのタクシー配車アプリで事前に乗車地と降車地を入力すれば、目的地までのルートが提示されます。ルートに応じて確定した運賃はアプリ内の画面に表示されるため、利用者は乗車前にタクシーの運賃を把握することができます。

配車アプリを活用したタクシー利用には、事前確定運賃のほか迎車料金がかかります。また、高速道路などの有料道路をルートで選択すると、運賃とは別に有料道路料金がかかります。

事前確定運賃の仕組み

タクシーの運賃は、走行距離や時間によって変わります。そのため、タクシー事業者は移動距離だけでなく、渋滞などに巻き込まれた場合の時間も考慮して運賃に含めなくてはなりません。そこで、交通事情などをあらかじめ踏まえて運賃の補正を行う仕組みが構築されました。現在、導入されている事前確定運賃サービスでは、実際の運賃との間の誤差はわずかしかなく、実際の料金に近づけて表示させられます。

事前確定運賃におけるタクシードライバーのメリット

新規顧客の獲得

乗客がタクシーを利用したいとき、従来は電話で予約するかタクシー乗り場へ行くか、流しのタクシーをつかまえる方法しかありませんでした。事前確定運賃サービスが導入された今、利用者はスマホの配車アプリを使えば気軽に利用できるので、利便性が高くなっています。それにより、これまであまりタクシーを利用しなかった層も利用してくれる可能性があります。

事前に料金が提示されるシステムは、利用者側にとっても安心です。乗車前に目的地までの運賃を把握できるので、料金がいくらかかるか不安で利用しなかった人や外国人観光客なども利用しやすくなります。

安定した売上につながる

配車アプリの事前確定運賃には、乗車運賃のほかに迎車料金も含まれています。「流し営業」をしなくても売上が上がるので、タクシードライバーは安定した売り上げを稼げるようになるでしょう。流し営業には長年の経験やスキルが必要でしたが、事前確定運賃だと経験の長さによって差が生まれにくくなります。

経験やスキルに左右されず効率よく稼げる仕組みは、若手ドライバーのモチベーションアップにもつながります。

事前確定運賃の注意点

事前確定運賃では事前に設定したルートに応じて運賃が決まるため、事故や渋滞でやむを得ず経路を変更した場合にも運賃が変更されません。また、目的地までにかかる平均的な時間で自動計算されているので、赤信号に何度もあたって進行に時間がかかった場合も事前に決まった運賃から変更はありません。

例えば、思わぬ渋滞に遭って時間がかかった場合や渋滞を回避して迂回した場合、遠回りしたとしても事前確定運賃分しか売上にならない点には注意が必要です。

事前確定運賃の実施地域と対応アプリ

タクシーの事前確定運賃を利用できるのは、サービス開始当初は東京、大阪、札幌、横浜、名古屋、京都、神戸など主要都市圏を中心とした27地域でした。現在も全国的に拡大を続けており、近い将来は全国的に利用できることが予測されます。

主な対応アプリはS.RIDE、JapanTaxi、スマたく、MOV、GO、Uber Taxi、DiDiなどです。

※参照元:国土交通省「報道発表資料」(https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha03_hh_000312.html