お客様を後部座席に乗せた際、タクシードライバーは必ずシートベルトを着用するようアナウンスしなくてはなりません。
このページでは、タクシーのお客様にシートベルト着用が必要な理由や違反した場合に起こるリスク、お客様への上手な着用の促し方を解説します。
2008年の道路交通法改正により、自家用車と同様、タクシーにおいてもすべての座席でシートベルトの着用が義務付けられました。例外を除き、後部座席にお客様を乗せた場合、タクシードライバーだけでなくお客様も必ずシートベルトを着用しなくてはなりません。
シートベルトを着けていない状態で万が一事故に遭った場合、大きなケガをしてしまう、車外に投げ出されるなど、お客様の身が危険となるリスクがあります。乗客の安全を守るためにも、必ずシートベルトは着用してもらいましょう。
※参照元:e-GOV法令検索「道路交通法第71条の3第2項」 (https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105#Mp-At_71)
後部座席でシートベルトをしなかった場合、お客様に罰則が科せられることはありません。また、一般道路の走行では運転者に対する加点や反則金が科せられることもなく、口頭による注意があるのみです。
しかし、後部座席の人がシートベルトを着用しないまま高速道路を走行した場合、お客様ではなくタクシードライバーに違反点数が加点されます。違反点数がつくと今後の乗務に悪影響を及ぼす可能性が高いため、気を抜かず常にチェックしてください。
高速道路の走行前には特にシートベルトに注目し、お客様が装着していない場合は必ず着用してもらいましょう。
シートベルトを着用していないと、何より交通事故に遭ったときのケガや車外放出のリスクが高まります。事故の大きさによっては死亡してしまうかもしれません。
タクシードライバーがシートベルトを着用するよう申し出たにもかかわらずシートベルトを着用しない状態で事故が起きた場合、乗客側の過失と見なされて賠償の責任は発生しません。それでもお客様は何らかの被害を受ける可能性があります。賠償の有無にかかわらず、お客様の安全を守るためと伝えて着けてもらいましょう。
お客様が以下のような状態でシートベルト着用が難しい場合、シートベルトを着用しなくても問題ないとみなされます。
妊娠中にシートベルトを着用すると、お腹が圧迫されて痛みを感じる場合があります。そのため、妊娠中の女性の場合、シートベルトの未着用が認められています。シートベルトを着用するかどうかは、妊婦さんの体調を優先してお客様ご自身の判断に任せてください。
健康上の理由でお客様にシートベルトの着用を断られるケースもあるでしょう。病気やケガの程度によって判断が異なりますが、シートベルトを着用することで病状やケガが悪化するおそれのある場合は、無理にシートベルトを着用する必要はありません。
体型の程度に具体的な決まりはありませんが、極端に太っていてシートベルトの着用が難しい方は、無理にシートベルトを装着してもらわなくても問題ありません。著しく座高が高い、または低いためにシートベルトの着用が困難な方も、シートベルトの未着用が認められています。
お客様がなかなかシートベルトを着用してくれないとき、タクシードライバーはどのように対処すべきなのでしょうか。ここからは、上手にシートベルト着用を促すコツをご紹介します。
後部座席にお客様が乗車した際、タクシーを発進させる前にシートベルトを着用しているか確認する方法は効果的です。エンジンをかける前や発車直前のタイミングで、「シートベルトはお締めになりましたでしょうか?」「シートベルトの着用をご確認ください」などとひと言お声かけしましょう。
グループで乗車された場合には、後部座席だけでなく助手席のお客様にも忘れず声かけを行いましょう。
シートベルトの着用を促す際には、お客様に不快感を与えたり反発を招いたりしないよう、丁寧な言葉づかいを心がけることが大切です。
単に敬語を使うだけだと、厳しい印象や冷たいイメージを与えてしまいかねません。「シートベルトを締めていただけますか」「シートベルトの着用をお願いできますでしょうか」など、おうかがいをたて、お願いするように伝えると丁寧な印象が伝わり効果的です。
シートベルトを着用してもらいたい理由を添えて伝えると、相手に受け入れられやすくなります。「お客様の安全のためにお願いしております」「万が一の際にお客様をお守りするためです」など、理由を簡潔に伝えたうえでお願いしましょう。
自分の安全を考えて言ってくれているのだと相手に伝えれば、着用してくれる可能性が高まります。