タクシードライバーの共済に関する基礎知識

長時間タクシーを運転するタクシードライバーは、毎日事故と隣り合わせの仕事です。万が一、事故を起こした際、どのような保障を受けられるのでしょうか。

ここでは、タクシードライバーの共済に関する知識を解説します。

タクシー共済とは

タクシー共済とは、複数のタクシー会社が集まって設立した協同組合による共済です。一般の自動車任意保険に代わるものとして、保険料負担を軽減するために多くのタクシー会社が加入しています。

タクシー会社に就職した場合、その会社が共済組合に入っていれば、タクシードライバーは共済の組合員となります。万が一、事故が起こった際に相手側との交渉や損害補償を行ってくれます。

任意保険との違い

物損や高額補償を行う目的では、共済と任意保険は同じですが、その違いは保険料にあります。共済は任意保険よりも保険料が割安です。ただし、被害者への賠償金提示は民間保険会社よりも低額な場合があります。

タクシー事業者が満たすべき任意保険・共済の最低条件は、国土交通省によって定められています。対人賠償で8,000万円以上、対物賠償で200万円以上、免責30万円以下です。

共済と任意保険のどちらであっても、これらの条件を満たせば営業が許可されます。

※参照元:国土交通省 告示第503号(PDF)(https://www.mlit.go.jp/common/000210691.pdf

タクシー共済のメリット

共済は、相互扶助の精神に基づく非営利組織のため、任意保険よりも保険料が安いのがメリットです。

タクシー共済の組合員は元タクシードライバーなどで構成されているため、業界特有の事情を理解したスムーズな事故解決が期待できます。示談の場面では、タクシー側の立場に立って交渉を有利に進めてくれることがあります。

タクシー共済のデメリット

共済と任意保険では、保険等級の扱い方に関する考えが異なる部分があります。そのため、共済から一般的な自動車の任意保険に切り替える場合、等級をそのまま引き継げない可能性があります。

共済が満期を迎えて任意保険に加入する場合など、切り替えの際には注意が必要です。

共済もしくは任意保険への加入が必須

タクシーを業務するとき、タクシー会社(もしくは個人タクシー)は、自賠責保険に加えて任意保険か共済のどちらかに加入しなくてはなりません。

そのため、タクシードライバーは自賠責のほか、共済か任意保険に加入しなくてはなりません。タクシー会社に所属する場合は、会社がすでに契約している共済か任意保険の枠に追加する手続きだけのため、用意された書類への記入だけで済みますが、個人タクシーの場合は自分で加入する必要があります。

まとめ

共済や任意保険は、事故の際の上乗せ補償や労災保険によるドライバー本人への補償が含まれています。タクシードライバーが安心して乗務できる環境を支えている制度です。ただし、補償内容は加入する共済や任意保険によってさまざまで、補償の範囲が異なるケースもあります。

また、事故で損害を出したときの補償は、タクシー会社が共済や保険に基づいて行いますが、会社によっては事故を起こした運転手に対してペナルティーを課すところもあるようです。

共済や保険の存在に慢心せず安全運転を第一にし、事故のないように努めることが大切です。